段階に応じた居場所づくりと自立への歩み
一般社団法人しんが運営する地域活動支援センター「とびら」は、地域で自立して暮らしていくためのはじめの一歩にぴったりな居場所です。会員制の喫茶店のようなイメージで、家や病院以外の居場所がほしい、まずは外出に慣れたい、仲間をつくりたいという方に向けて、ほっと一息つける空間を提供しています。まずは身も心もしっかり充電することから始められる環境を整えています。
地域活動支援センター「じょうしん」は、次にやりたいことを見つけたい方や、とびらとは違う雰囲気の休憩所が欲しい方に適した場所です。これからどんな生活を送りたいかを考えながら、本人の希望に沿う障害福祉支援サービス情報や就労情報を提供し、本人の希望する施設や制度に繋がるまでをサポートしています。名古屋市西区を中心に、それぞれの段階やニーズに合わせた切れ目のない支援体制を構築しています。
多彩なプログラムで実現する自己理解と目標達成
地域自立支援センター「みち」では、自立した日常生活や社会生活を目指す様々なプログラムを原則2年間受けることができます。大人の寺子屋をイメージした環境で、自分のことを理解したい、病気についてもっと知りたい、就労に向けた準備をしたいなど、目標に向かって意欲を高めつつ参加する場所です。認知行動療法、WRAP、発達特性理解プログラム、SST、アサーションなど多彩なプログラムを用意しています。
個別面談を軸にしながら、さまざまなプログラムを提供することで、こまめに目標設定や課題について考え、その方に合わせた支援を丁寧に行っています。体幹トレーニングなど身体を動かすプログラムも取り入れ、心と身体の健康が就労の基盤であるという考えのもと、無理のない生活リズムを整えることを重視しています。集団もしくは個別での実施を選択でき、柔軟な対応が可能です。
就労支援から超短時間雇用まで幅広い選択肢
一般社団法人しんでは、就労継続支援B型として「コミュニティカフェかかぽ」と「就労継続支援B型とびらぼ」を運営しています。就労の練習の場として、就労支援の場として、地域交流の場として機能し、ご本人が得意なことを活かしながら働ける環境を整えています。社会の中で活躍したいという気持ちを持つ方にとって、その一歩を踏み出すことは大きな勇気を伴いますが、その挑戦を支えるための場を提供しています。
インフォーマル活動として、週1回1時間からの一般就労である「ちょこジョブ（超短時間雇用）」も展開しています。地域企業に新しい雇用の可能性を提案し、就労で精神障害者と社会をつなぐ取り組みを推進しています。地域活動への参加機会を広げ、環境を整え、人とのつながりを調整することで不安を軽減し、自信を育てるためのお手伝いを行っています。
13年間にわたる継続的なインフォーマル活動の実績
一般社団法人しんは、2013年のボランティア団体夢叶設立以来、医療や福祉では支えきれない部分を地域の力で支える活動を継続してきました。精神障害に関する意識調査を4回実施し、啓発映画上映会を9回開催するなど、地域における理解促進に力を注いでいます。スピーカーズビューロー、できることもちよりワークショップ、つながるライブ、心聴サロン、ピアサポートミーティング、笑顔のカフェなど、多様な取り組みを展開してきました。
2018年にはリカバリーカレッジ名古屋を開校し、メンタルヘルスやリカバリーについて学ぶ場を提供しています。2024年以降も、リカバリーカレッジ文化祭、夢叶君があなたの夢を叶えます、アートミュージケーション、ヒューマンライブラリー、リカバリーストーリー展、支援をひらき出会い直しをした私たちの取り組みなど、地域との接点を増やす活動を継続しています。公的サービスとインフォーマルサービスを上手く組み合わせることで、豊かな地域生活の実現を目指しています。
